生の装い

この無機質な粒子に「生」を感じるだろうか。

古くから日本では万物に命が宿ると信じられてきた。モノの声に耳を傾け、その恩恵に感謝する。ヒトとモノが密接な関係を紡いできたからこそ、こうした信仰は生まれた。しかし、いつしか技術の発展とともにヒトは傲慢になり、モノの「生」は忘れ去られた。特にあらゆるモノに知能が与えられるようになった今では、ヒトは命令する側・モノは命令される側と、一方的な主従関係を結びつつある。こうした機械的な関係はモノに煩わしささえ感じさせる。モノの声に耳を傾け、モノの気持ちに想いを馳せるとき、はじめてモノに「生」が宿るのではないだろうか。

この作品では、ヒトとモノの関係を壊し、モノに「生」が宿る世界を描く。無機質にふるまう粒子。あなたが真摯に向き合い働きかければ、粒子に「生」は宿りきっとあなたの心に語りかけてくるはず。

生の装いはあなたとモノの関係を再構築する。

About

Produced by Takeru Hashimoto and Masato Nomiyama(Takram)

Showcase : 2018 Dest-logy REBUILD, iiiexhibition, The University of Tokyo

Movie

Tech

Sand that gives you goosebumps or pulses when you put your hand on it.

We use Touché for human hand contact and proximity detection. We have extended Touché to enable us to obtain the contact and proximity of a human hand and sand by arranging multiple objects.

A matrix of electromagnets and analog control of each electromagnet made it possible to express the goosebumps and pulsations of the sand. In this work, 60 hand-wound electromagnets were used.

Media

東京大学広報誌　淡青 vol.38 特集 “東大のアート、アートの東大。” 2019.03